医療現場こぼれ話~5~ ジュース

研修医時代に先輩から聞いた話

当時は癌の患者さんにはほとんど病名を告知しない時代でした。術後に抗癌剤の治療をする時でも、「体質改善の薬」とか「潰瘍の再発予防の薬」などといって行っていました。                                当時、注射の抗癌剤で鮮やかな紫色したものがあり、よく使われていました。

一方で、研修医は先輩医師に言われるがままに、点滴したり注射したりと病棟を走り回る兵隊で、患者さんに病状の説明をすることなどありません。

癌で抗癌剤治療を受け始めたAさん。そこへ例の紫色の注射を射ちに来た研修医B医師。                          B医師「Aさん、それじゃあ注射しますね」                                                     Aさん「B先生、それ何の注射ですか?」                                                B医師 「ええっ」   しばし、紫色の薬が入った注射器を見つめたあと                                       「これ・・・  グ、グレープジュース!」