”聴診器はおまじない”

私の体型をご存知のかたにはとても信じられないことかもしれませんが、子供の頃は非常に病弱でよく風邪を引いたり、インフルエンザになったりして学校を休んでいました。そういった時に、医師であるはずの母は一度も私に聴診器を当ててくれたことがありませんでした。

そんなある日、また風邪を引いて学校を休むことになったのですが、母はまた聴診器を当てませんでした。そこで、「なんで聴診器を当ててくれないの?」と聞いてみると、彼女の答えはなんと 「ああ、聴診器はおまじない。だからあなたにはあてなくてもいいの」と!

私が医者になって一緒に働いていた頃に、この話を母にしたところ、「そんなこと言ったかなあ」と笑っていました。しかし同時に、「おまじないは言いすぎかもしれないけど、聴診器を当てる前に、患者さんの呼吸状態や顔色や訴えを聞けば、聴診器を当てる前にどんな音がするか想像できなくてはダメよ。」と。さらに「でも、だからといって聴診器を当てないのはダメ。患者さんは聴診器を当ててもらうことで安心するんだから」とも。

なるほどと感心させられましたが、結局私には聴診器を当ててもらわなかったなあとも(笑)まあ考えて見れば、私も患者さんには必ず聴診器を当てますが、自分の息子に聴診器を当てたことはないなあ